漢方薬とは

漢方薬イラスト漢方薬は、自然界にある植物や鉱物などを一定の法則のもと、原則として複数組み合わせて作られた薬です。何千年という長い年月をかけておこなわれた治療の経験によって、どの生薬を組み合わせるとどんな効果が得られるか確かめられ、漢方処方として体系化されました。

漢方薬と通常の西洋医学の薬はどう違うの?

西洋薬はたいてい一つの有効成分で作られていて、血圧を下げたり、細菌を殺したり、熱や痛みを取ったりするなど、一つの症状や病気に対して、強い効果があります。

一方、漢方薬は1剤に複数の有効成分が含まれているため、多様な症状に効くのが大きな特徴です。また漢方薬のベースとなる漢方医学は、患者の病状(訴え)や体質を重視し、その結果から処方します。そしてからだを局所的に見ず、心とからだをひとつのものとしてとらえ総合的に判断します。
そのため、体質に由来する症状(機能性の月経痛や冷え症、虚弱体質など)、精神的な原因も関与している不調(更年期障害の症状)などの治療を得意としています。

漢方が得意とする症状・悩み

★虚弱体質
★腰痛や忘れっぽいなどの加齢現象
★胃もたれや食欲不振、便秘などの胃腸の病気
★イライラ、不眠、うつなどの精神症状
★生理痛や不妊、更年期障害症状などの女性の悩み
★アレルギー疾患
★慢性の病気、冷え症

漢方薬はすぐには効かない?

漢方薬は「慢性病に効く薬」「体質改善のために飲む薬」「長く飲まないと効かない」などのイメージを持つ人も多いと思いますが、速効性がある漢方薬もあります。例えばインフルエンザには「麻黄湯(マオウトウ)」こむら返りと呼ばれる足がつった状態では「芍薬甘草湯(シャクヤクカンゾウトウ)」、胃もたれや胃痛、腹部膨満感など胃腸に問題があるときは、「六君子湯(リックンシトウ)」、「安中散(アンチュウサン)」などを用いると、スーッと症状が和らぐ場合があります。

漢方薬は高い?

漢方薬にはたくさんの種類がありますが、主要な処方には健康保険が適用されます。これらは「医療用漢方製剤」といわれ、厚生労働省から認可をうけた医療用医薬品となります。そのため、病院や医院でこれらの漢方薬を処方してもらうときは、原則1〜3割の患者負担ですみます。

漢方の特徴まとめ

  1. 漢方薬はさまざまな生薬を複合的に組み合わせた薬
  2. 一剤でいろいろな症状を解消したり、和らげたりする
  3. 病態やその人の体質に合わせて、さまざまな漢方薬が用いられる
  4. 飲んですぐに効くタイプの漢方薬と、飲み続けることで効いていくタイプの漢方薬がある。また風邪など同じ病気でも、発症してからの経過日数、症状によって用いられる漢方薬が異なる
  5. 通常の西洋医学の薬と組み合わせることにより、治療の幅が広がりより効果的のある治療を行うことができる。

当院では漢方薬も、西洋医学の薬と組み合わせて治療に積極的に取り入れています。
病院で処方される漢方薬は粉薬が多いですが、錠剤もあります。また漢方が苦手な方にはシロップで甘みをつけたり工夫して飲めるようご指導しています。またお気軽にご相談下さい。

詳しくはツムラサイト「漢方ビュー」もご参照下さい。
http://www.kampo-view.com/