からだ
トップページに戻る     子育てQ&Aに戻る

3才の子の鍛錬をしたいと思うのですが、家の近いに安全な遊び場がなくて困っています。どうしたらよいでしょうか。


 幼児の鍛錬には、それ程広い場所や特別の設備はいりません。それ位の年代では歩いたり、跳んだり、走ったりの基礎ができれば充分なので、お買いものにつれて行ったりした時に、意欲的に歩かしたり、走らせたり、ある時には跳ばせたりしながらで充分です。いつも良い路ばかりでなく、凸凹の道を選んだり、雨の降る時につれて行ったりして鍛えましょう。

 家の中でも、お父さんやお母さん相手に相撲、おしくらべ、綱引き、ボール投げ、お馬パカパカなど、いくらでも運動させられますし、又そういうことが親子のコミュニケーションにも役立つことでしょう。階段を上ったり、椅子にのぼったり、おりたりなども、安全にさえ気をつけてやれば、大変よい運動にもなるし、又危険について教え込むのにもよい機会になります。

 幼児の鍛錬に場所はいらない。大切なのは親の意志だけ。

戻る


3歳ですが、先日の検診で虫歯があると言われました。虫歯の予防法はどんなことに気をつけたらよいでしょうか。


 虫歯は食物かす(主として糖質)が歯にくっついて、細菌の作用によって発酵し、そこで出来た酸が歯をとかすことから始まります。従って、虫歯の予防には、食物のかすを歯にいつまでもくっつけないことと、糖質の多いものを食べさせないことが大切です。その目的で第1に行われるのが食後の歯みがきです。幼児ではまだうまく歯がみがけませんので、子どもがみがいた後で、お母さんがみがき直してやらなければなりません。しかし、歯をみがく習慣をつけるのが大切ですから、子どもにまずさせることが必要です。何か口に入れたら、その後では必ずぶくぶくうがいだけでもさせて下さい。甘くて歯にくっつくもの、チョコレート、キャラメル、チューインガムなどは大敵ですし、それを何回も与えることは一層悪いことです。乳酸飲料やジュースなどでの甘い飲み物を飲ませて寝かせたりするのが最もいけないことです。

 又、虫歯を早く見つけて、早く治療することが大切なことは言うまでもありません。

 食べたらすぐに歯みがきさせよう!

戻る


4歳の男児です。近所のお子さんについて水泳教室に行きたがっています。父親はランニングをさせたいようです。これくらいの子にこんな運動をさせることはいかがでしょうか。


 幼児は骨や関節もまだ十分出来上がっていませんし、筋肉の力も弱く、心臓や肺にも余力がありませんから、いきなり強い運動をさせると、そのための効果よりも、障害の方が強く出てしまうことがありますので、一般的には、全身運動で、走る・飛ぶ・投げるなどの基本的な動作を主として、全身運動の協調性とか巧緻性をあげることを目的とした運動が進められます。

 水泳もランニングも、共に全身を使う基本的な運動ですから結構ですが、問題は学習のさせ方と程度です。その点、水泳教室に入れて専門家の指導を受ける分は心配ないと思いますが、ランニングもできれば良い指導者について、無理のない走り方のコーチをしてもらうのが望ましいと思います。筋力を早くつけ、他の子よりも速く泳げたり、速く走れたりを目標としたり、子どもが疲れても頑張らせて長い距離をやらせたりすると反って逆効果が出てくる恐れがあります。だんだんに慣らせて、無理のない範囲で長く続けさせることがコツです。

戻る


4歳の男の子です。姉が弱かったので、身体を鍛えたいと思って、毎朝走らせています。子どもを走らせる際の注意を教えて下さい。


 最近のジョギングブームで、子ども連れで走っている姿をよくみかけます。すがすがしい朝の空気を一杯に吸いながら、親子が楽しく走っているのは、まことにほほえましく、心のつながりの面では大変良いことだと思いますが、幼児となると、身体的な面で考えなくてはならないことがいくつかあります。

 幼児に運動させるのに大切な原則があります。

1 その子の発達段階に無理のないものであること

2 ゆっくり、だんだんと程度をたかめてゆくこと

3 長くつづけて習慣化すること

4 子どもが興味を持つことです。

 幼児は骨や関節、筋肉などがまだ弱いので、やり方を間違うといろいろの悪い影響が出てきます。全身の運動をさせることが特に大切で、足とか手とかの特定の能力を上げようとしても効果があがらないだけでなく、かえって悪い結果を招きます。また、疲労した状態を励まして運動をつづけさせることは、幼児では決してやってはいけないことです。この年代では、いろいろの動作をなめらかに、うまくやらせるという方向の訓練が効果があがり、筋肉を強めようとしても効果はあがりません。筋肉強化のトレーニングを始めるのは、小学校の高学年からです。

 そこで、ご質問の幼児を走らせることですが、距離と速さが問題です。時々コースを変えたり、遊びの要素を多くして、何か楽しみを加えながら、あまり長くない距離を走らせましょう。走ったり、歩いたりが良いので、走りつづけることを強要してはいけません。舗装した固い道を走るときは底の厚い靴を選ぶことが大切ですし、足が高くあがらないので、土の道ではよくつまづいて転ぶので注意が必要です。

戻る


4歳の女児ですが、かぜをひきやすくて、すぐのどをゼロゼロならして困っています。かぜをひきにくくするには、どうすれば良いでしょうか。


 かぜは子どもの病気では1番多いもので、ほとんどの子が年に何回かはかぜを引いています。ところが、かぜにもその強さや現れ方に色々と違いがあります。熱が出るような強いかぜでは勿論安静が大切ですが、鼻水が出るだけとか、のどをぜろぜろ鳴らすだけのものでは、それ程おそれることはなく、もっと積極的にかぜと闘う態度が必要です。お子さんのような型の子どもに共通していることは、皮膚が弱く、自律神経が不安定なことです。従って、平素から皮膚を鍛え、少しの刺激で自律神経が乱れぬようにしつけることが大切です。そのためには、薄着のくせをつけるとか、乾布まさつを行って皮膚を鍛えること、毎日入浴をさせること、なるべく外で遊ばせることなどが大切です。かぜをおそれて、厚着にして部屋の中に閉じこめ、少しぜろつくとすぐ風呂をやめて、かぜから逃げてばかりでは、反ってかぜにかかりやすくするばかりです。

 かぜにかからぬ努力より、かぜに負けない努力を!

戻る


かぜをひきやすいというと、日光浴や乾布まさつをすすめられました。どんな注意が必要でしょうか。


 日光浴や乾布まさつの効果は単に皮膚を強めるということばかりでなくて、自然の大気に皮膚をさらしたり、乾いた布で摩擦することで色んな刺激に慣れさせ、気温など外界の変化に順応する訓練をすることや、皮膚の血流に刺激を与えて血液循環をよくすること、更には自律神経系を鍛えて、安定させるなどの効果があります。やり方の注意としては、暖かいやりやすい時から始めて、ゆっくりと時間や範囲、強さなどを増し、しかも続けることです。乾布まさつの材料は何も特別なものの必要はありません。タオルでも結構ですし、お母さんが軍手をはめてそれでさすってやってもよいわけです。ただ、冬になると皮膚をかゆがり、よくみると皮膚が少し毛羽立って見えたり、湿疹が仲々治らないアトピー性皮膚炎という子がいますが、こんな子に日光浴や乾布まさつをすると、反って悪化してしまうので注意が必要です。

 親子で頑張って習慣化しよう。

戻る


子どもの応急処置について、一般的な原則を教えて下さい。


 子どもに限らず応急処置というのは、迅速で的確な処理が最も要求されるわけですから、まず何よりも迅速であることで、医者に電話したり救急車を呼んだりするのに大切な時間をつかってはなりません。呼吸が止まって何分間で人工呼吸を始めるかどうかで治り方が大変違うわけで、遅れてしまっては誰が来ても助かりません。しかし、咄嗟に行動を起こすにはそれだけの知識が必要ですので、平素から勉強しておくことが大切ですが、いざという場合にはうろうろせずに、自分がベストを尽くすしかありません。

 子どもの応急処置の一般的な原則を列挙します。

1 何より迅速にとりかかること。医師や救急車への連絡に時間をとってはいけない。

2 まず呼吸の確保。口から口への人工呼吸が最もよい。首を強く後ろへ曲げること、鼻をつまむこと、そしてできるだけ強く自分の息を口内に吹き込むことを反復する。

3 心臓が停まっていたら、前胸部真中の骨の下端をとんとんと2、3回強く叩いてみる。

4 出血は傷口を押して止めるのが原則。心臓に近い部位をしばって止めるのは最後の手段。

5 傷口はできるだけきれいに洗うことで十分。いろいろの薬はつけない方がよい。

6 火傷は痛みが取れるまで冷水で冷やす。範囲の広い火傷はすぐ病院へ。

7 骨折や捻挫はできるだけ痛みの少ない姿勢で、動かぬように固定して病院へ。

8 眼・耳などの異物は素人がとろうとしない。

 応急処置は被害を出来るだけくいとめることで、治すことではない。

戻る


小学3年生にもなったのに、まだ夜尿が治りません。恥ずかしいので早く治してやりたいのですが、何か良い方法はありませんか。


 夜尿といっても、程度が色々ありますが、お子さんの場合は何日に一度位なのでしょうか。余り回数が多くなくて、月に数回失敗したりする程度までなら、気にしないで放置して結構です。小学校の下学年では十人に1人はまだ時々失敗しています。毎日とか、一晩に数回とかがまだ続いていると、やはり放ってはおけないでしょうね。まず泌尿器科の先生に異常はないか診てもらって下さい。異常がないということをはっきり言ってもらうだけでも良い効果があります。

 本人の性格とか、失敗する時間などで取り扱い方が決まりますが、一番大切なことは早く治そうと親子ともあせらないことで、本人の悩みを出来るだけ深刻なものにしないこと、夜度々おこしたりしないこと。ある程度の精神安定剤を使うことなどで根気よくねばっていれば、大人まで持ち越すことはめったにないのです。どちらにしても長期戦で、あせりが最大の敵だと思って下さい。

 早く治そうとあせるほど、夜尿は治らない。

戻る


喘息やてんかんを持つ子どもの運動について教えて下さい。


 喘息には運動はよい影響を与えることが多いので、重症でない限り積極的に運動させましょう。

1、薄着、乾布まさつ、冷水まさつで皮膚を強くしましょう。

2、体操、軽いかけ足から始めて、余り強くなければ多くの運動が出来ます。水泳は喘息の子が得意な種目ですし、喘息にも良い影響を与えます。

3、運動にとりかかる前に充分なウォーミングアップを行うことが大切です。運動によって、喘息がひきおこされることがありますが、そのほとんどは開始5分以内で、ウォーミングアップ不充分のときです。

 てんかんは過労にならない限り運動は止める必要のないものですが、発作が充分コントロール出来ていない子は、発作時の危険防止のため水泳や高いところに上がるのを禁止します。深呼吸を何回も繰り返す運動は時として発作を誘発することがあるので、主治医からの指示をもらっておくことが必要です。

 運動は喘息の治療法の1つです。

戻る


小学4年生ですが、お友達ではもう生理が始まった方があるそうです。こんなに小さいのに今始まったら、どんなに話してよいか困っています。


 月経が始まって、声変わりしたりするのを第2次性徴というのですが、これが始まる年齢がだんだん下がって来て、今では小学4年くらいが普通くらいになっています。生理が始まる時の指導は性教育の中でも特に大切なチャンスとして重視されています。その時になって慌てないように、今からお母さんの心の準備が必要です。始まったら、お子さんのショックが出来るだけ軽いように、その時のきちんとした話ぶりがお子さんの一生に大きな影響を与えると思って、しっかりした態度で話してやって下さい。決してごまかしたり、かくしたりしないで、お母さんの体験を通して、しみじみ話すことです。ただ単に生理が始まるばかりでなく、身体がいろいろと変わってくるわけですから、他の面にも気をつけてやる必要があります。又、身体はこうして一人前に先になってしまいますが、精神的な発育はまだ何といっても子どもで、体と心とがアンバランスですので、その面にも気を配ってやることが大切です。

 初潮は最もよい性教育のチャンス。

戻る


小学5年の男の子です。疲れやすく、朝からあくびばかりしています。どうしたらよいでしょう。


 朝からあくびをする子が本当に増えてきました。病気ではありませんが、生活の不規則さと、身体の変調、自律神経の失調からおこってきていると思います。対策としては、

1、毎日の生活を規律的にさせる。

2、殊に夜の就眠時間を早め、睡眠が充分とれるようにする(家族をあげて協力)。

3、入浴をきちんとさせる。

4、戸外の運動をさせる。

5、3度の食事をきちんととらせ、偏食をなくする。

といったことが大事だと思います。

 早寝と運動であくび追放。

戻る


中学1年の女子です。先日学校の朝礼で倒れ、起立性調節障害症と診断され、自律神経を鍛えるようにいわれました。どういう病気で、治すにはどんな方法があるのでしょうか。


 起立性調節障害症(OD)は、学童期から思春期にかけての身体の発育が顕著な時におこる自律神経失調症の一種です。人は緊張したり、恥ずかしい思いをすると顔が赤くなったり、胸がどきどきしたりします。こういう状態を作り出すのが自律神経です。自分で顔を赤くしてやろう、胸をどきどきさせてやろうと思ってもできませんが、自然とそういう状態になってしまいます。このように人の意志とは関係なく、人の体を調節している神経です。これには大きく分けて、交感神経と副交感神経とあり、体のすみずみまで細い線維を送って支配しています。この2つの神経は互いに反対に作用し合うのですが、人の生命を維持するのに都合の良いように、バランスを保っています。

 ところが、この2つの神経のバランスがくずれて、どちらか一方が強く働きすぎたり、両方が不安定であったりする状態になることがあります。これを自律神経失調症というのです。ODは、立つことによって、血液の循環をコントロールする自律神経が失調をおこして、血液が下の方に集まり、頭の中や心臓にまわる血液が少なくなるため、脳貧血をおこして倒れるのです。

 ODの治療の主なものは、自律神経鍛錬法と薬剤療法です。自律神経を鍛えるというのは、自律神経の反応を素早くし、その反射が正常に行われるように訓練するのが目的で、具体的な方法としては、乾布摩擦や入浴後の冷水摩擦、なわとび、ランニングなどがすすめられています。やりやすい方法から始めて、軽くても毎日つづけてやることが大切です。その他、日常の生活を規則正しくし、3度の食事をきちんととらせ、早く寝かせることが特に大切です。それには、本人だけでなく家庭全体が協力してやることが必要です。症状にひどいものには薬を1、2カ月使うと、ぐっと良くなりますが、薬だけで完全に治すことはできません。また、家庭での過保護的な環境を改善し、本人に自信を持たせることも忘れてはいけないことです。

戻る


中3の男児の母ですが、オナニーや夢精のことを雑誌などで読み心配でなりません。そんなに悪い癖にならないようにするにはどうしたらよいでしょうか。


 若い健康な男性にとって、みち溢れんばかりの精力を何らかの方法で排泄することは、むしろ自然の現象です。雑誌でごらんになるそのような記事の多くは誇大であり、無理に問題を作り上げています。オナニーは若い男性にとってそれ程健康上の害悪を引き起こすものでもなく、頭脳にも影響しません。反って、それを罪悪視して、悶々と悩むことの方が悪影響があるのです。夢精にいたっては全く生理的なもので、共にある種の安全弁と考えてもよいようなものです。といって、そんなことにばかり耽らしていてそれで良いわけではありません。生活を健康的に、スポーツを楽しんで青春の喜びを発散させ、いらぬ刺激を与える雑誌やテレビを家庭から追放することが大切なことは言うまでもありません。

戻る


幼児がよくかかる病気とその対処の仕方について教えて下さい。


 子どもに多い症状の幾つかについてお話しします。

@かぜ

 何といっても1番多い病気です。もとはかぜというと、寝冷えとか湯ざめとかをすぐ考えたものですが、そういうことは誘因になるかも分かりませんが、本当の原因になることはむしろ少ないのです。かぜの90%以上は感染ことにウィルスによるものです。現在たくさんの種類のウィルスが見つかっていますが、それぞれの性質も分かってきていて、近い将来にはかぜという病気はなくなってしまうかも分かりません。子どもは咳、鼻汁というようないわゆるかぜ症状だけでなく、全身で反応するのが特徴で、食欲不振、嘔吐、下痢などの消化器の症状がよくみられます。

 ウィルスに効くくすりはまだありません。安静と栄養と看護に心がけることが大切です。症状が重そうなら、熱を下げたり、咳を楽にさせたり、さらには肺炎などの合併症を防ぐために抗生物質を使うこともあります。

A扁桃腺

 これも幼児には多い病気です。幼児期から学童期にかけて、扁桃は成人よりも発達していますので、扁桃が大きいのは当たり前みたいなもので、ただ大きいからというだけの理由で手術を考える必要はありません。

もし、気道を狭めるほど肥大した場合は、手術も考えなければなりません。

B喘息様気管支炎

 喉をゼロゼロならすのが喘息に似ているので、よく小児喘息とか喘息性気管支炎とか言われて心配されますが、喘息とは本来は別のものです。そのほとんどは成長につれて自然に治りますので、心配ありません。熱もなく、機嫌も良ければ放っておいてもよい位のもので、本当の喘息に使う強い薬を使うのは反って悪い結果を招きます。

C反復性臍疝痛

 3〜5歳の子に多く、詳しく調べると、半数近い子が程度の差はあっても、この種の腹痛を訴えています。食欲も便も機嫌も変わらず、突然の腹痛(それも大部分が臍の周囲)を訴え、突然に止んでしまい、それを繰り返します。これは自律神経のアンバランスのための腸管のけいれんのためと言われ、神経系の発達の途上での1つの半生理的な現象であると考えられていますので、大部分のものはそのまま放っておいて心配のないもので、その時は気をかえてやるようにしむけると、いつとはなしに忘れています。

D自家中毒症

 急にぐったりして吐きつづけたり、お腹を痛がるので、消化器の病気と考えている人があるようですが、本質は神経系の病気又は脂肪の代謝障碍であると考えられます。急激に発病し、治るのも急に元気になるのが特徴です。治療としてはブドウ糖の注射や輸血が大切で、劇的によくなります。食事は良くなりかけたら、どんどん進めて結構です。

E発熱

 時間外に医療をうける過半数は発熱です。しかし、発熱について多くのお母さん方は心配しすぎています。甚だしい高熱でない限り、発熱の高さは病気の重大なことを示すものではありません。むしろ、熱以外の他の症状がどうかということが問題です。

 発熱に対する基本的な考え方としては、次の5つがあげられます。

 (1)発熱というのは、1つの生体の防御反応である。

 (2)熱というのはひとつの症状であり、病気があるから熱が出るので、熱を下げることが病気を治すことではない。

 (3)発熱の高さと病状の重さとは平行しない。

 (4)熱を急いで下げなければならない場合はむしろ少ない。

 (5)熱の経過は診断にとって大切なポイントになるので注意して記録しておく。

 けいれんを起こす子どもなど小数の子ども以外は、熱についてそれ程あわてる必要はありません。例えば、高熱でも顔を真っ赤にして動きまわり、じっと寝ていないというのは心配ありません。逆にあまり熱は高くなくても、青白い顔をしたり、吐いたりしているのは気をつける必要があります。解熱剤の座薬がよく使われていますが、座薬は絶対安全なものではないし、色々と種類があり正しい使い方の知識が必要です。頭を冷やしたり、浣腸したりなどをして、熱を下げることには限界がありますし、そうして熱を下げる意味はあまりありません。

むしろ、他の症状や十分な水分の補給に気をつけて下さい。
 

Fけいれん

 子どものけいれんはそれ程珍しいものでもなく、危険なものでもありません。その大部分は静かに見守るだけで快復します。その時の応急処置は、衣類を楽にし、嘔吐、窒息を避けるような体位をとることなどが大切で、騒いで叩いたり、手足を押さえつけたりなどは何の意味もありません。昔はひきつけるとすぐ口内にわりばしを入れたりしましたが、今はむしろしない方がよいとされています。

 ただ、子どものひきつけは大きくなると治るからと放置される傾向がありましたが、小数ながらその中にてんかんの子が混じっていることがあります。てんかんは最近大変増えてきた病気の1つで、昔のてんかんに対する考え方に誤りの多いことが分かってきました。早く発見して、十分に治療をすれば治る率が高いので、ひきつけをくり返す子や、あまり熱が高くないのにひきつける子、ひきつけの時間の長い子などは脳波の検査を受けることが必要です。

G嘔吐と下痢

 共に子どもには出やすい症状であり、必ずしも腹が悪くなくてもこの症状がみられます。例えば扁桃腺や中耳炎でも時々痛かったり、吐いたりする子は多くいます。子どもは脱水症状がおこり易いので、殊に嘔吐の時は注意する必要があります。下痢は最近のはウイルス性のものが多いようです。便をみるときは色や固さより匂いに注意することが大切です。

嘔吐にしても下痢にしても子どもの一般状態、ことに機嫌、食欲、睡眠、体重の増加などが順調であれば、あまり神経質にならないことです。

H夜尿

 3才児で夜尿を心配している親が多くいますが、尿の排泄を充分コントロールするのは4歳にならなければ出来ません。幼稚園で40%、小学校に入っても10%は失敗している子がいます。あまり神経質な取り扱いをして、夜間に何度もおこしたりするのは反って良くありません。

I爪かみ、指しゃぶり

 共に手を口に持ってゆくので混同されていますが、本質的にはかなり違っています。

 爪かみは欲求不満を解決する1つの方法としてとられており、その子の情緒の不安定を物語っています。指しゃぶりは子どもの失業状態であって、遊びに就職させれば消失するもので、余り気にする必要はありません。心理的な原因からおこる子どもの身体症状や異常行動は沢山ありますが、いづれも今出ている症状をなくすることよりも、なぜこの子はこんなことをするのだろうと考えて、原因を追求してやることの方が大切です。

 すべての病気に共通して言えることは、1、栄養、2、休息、3、平素の鍛錬、4、精神的なゆとりや安定に、心がけることが大切です。

戻る

トップページに戻る     子育てQ&Aに戻る