全国で麻しんが増えています

麻しんの症状:
麻しんは感染してから概ね2週間後に発症し、発熱、鼻水、咳やのどの痛み、結膜炎などの症状と、その数日後から出現する全身の皮疹を特徴とする感染症です。 頬粘膜(ほっぺたの内側)にコプリック斑と呼ばれる白い斑点がみられることがあります。

麻しんの合併症:
中耳炎、下痢、肺炎、脳炎などがみられることがあり、特に肺炎や脳炎は重篤な合併症です。 まれですが、SSPE(亜急性硬化性全脳炎)と呼ばれる、感染から数年以上経ってから起こる脳炎がみられることもあります。

感染経路、感染力:
麻しんは空気感染によって広がり、麻しん患者と近くで接していなくても、同じ空間にいるだけで感染することもあります。
新型コロナで有名になった「基本再生産数」ですが、麻しんは12〜18と言われており、最も感染力の強い感染症の一つです。

麻しんの予防:
麻しんはワクチンで予防することができます。生涯で2回麻疹ワクチンを接種していれば、基本的には麻疹に十分な免疫を持つことができます。 1歳と年長の麻しん風疹の定期接種の案内が来ている子供さんは、なるべく早めに受けておきましょう。

麻しんにかかっておらず、ワクチン接種歴が0回もしくは1回のみの方は合計2回となるようにワクチン接種を自費でも受けておくのをお勧めします。(当院では麻しん風疹ワクチン費用8800円) 麻疹に対する免疫力があるかどうか調べたい方は抗体検査も自費(3870円)になりますが可能です。

各年代ごとのワクチン接種率は以下のNHK の記事をご参照ください。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/newsup/20240312d.html